(2005年3月下旬下旬)

三月二十四日(木)
【text】再起動◇
更新滞っててごめんなさい。昔からここみてくれている人なら多分見当ついていると思うますけど、ちょっと別件で頭が一杯になってます。すみませんm(__)m
作業工程的には胸突き八丁だとは思うのだけど、さてどこまで続くのやら…ト言うことで強引に再起動します。
ただしこのペースが続くかどうかは狩田がどれだけコンステレーションチェックに成功しつづけるかにかかってますのでー(^^;
【text】
残り数冊を買わない人としては…◇
それだけ買っていてなぜ残りがダメなのか…というよりは、好みのものだけ買っていても結構な数になってしまう、というが実情で(笑)。
とりあえず新人さんはレッツ人柱だけどこれはせいぜいがプラスα、それに加えて好きな作家さん、好きなシリーズ…と最低限の「抑え」だけのつもりが、気がついたときにはなぜかかなりの数が。
そしてさらに書店巡っていてゴーストが囁いたものを買っていくと、さらに増える増える…というわけで。
やはり出版点数が以前と比べて桁外れになったことが大きいかな? 後、いいところを狙えるようになっているというか単純に増えた選択肢をもとに選択したらそうなりましたというか。
確かに「読む側」としてはほんとうにいい時代。
出版社としては辛い…といっても一発狙いがやりにくくなっただけで、きっちり良いものを出していけばちゃんとした手ごたえがあるようになっているはずだし、オタク史の長さを考えればもはや子供向けの読み物という「枠」は完全に時代遅れだとも思う。これは前にも書いたことだけど。
ほんと、ライトノベルって広がったよね。というか、オタク市場の裾野と年齢層が厚くなったんだよな。
「今の子供たち」はネットのお陰で昔からは考えられないほど多くの情報に接する事ができるし、知識をたやすく得られるようになっているし、多くのテンプレート、あるいはサンプルに接する機会がある。
ゼロから何かを作り出すのは誰にだって難しい。けど、「こういうものだ」と解ればそれをちょっとだけカスタマイズするのは難しくない。それは、発信だけでなく受信、面白さを受容するという行為にもあてはまることだろう。
あとはそれに接する機会の多寡の問題で、その点においてネットは非常に優れたツールだ。
もちろんこれだってスタージョンの法則を逃れられるものでは無いし、残念ながら今は原理的な面で言うと非常にタチの悪いカルトと言うべきものがネットには存在はする。けど、背伸びした子供、というイメージはもう古い。アンケートで自己表現しちゃうのはこの手のタイプだ、というのは時代を問わないのだけど、今はもうそれだけじゃない。
小説にイラストがついている事に違和感を覚えない最初の世代の次には、どんな世代が来るのだろう?
どうなるにせよ、全ての「読者」と「作者」に幸あらん事を。

三月二十六日(土)
【Book】こんな本を読んだ
◇
「瞬撃のヴァルキリィ」(著
深見真 イラスト
日下こかげ 編集 森丘めぐみ ファミ通文庫)
(Bk1)(
Amazon)
「早く、あのひととやりたいな…」
強者が強者を求める感覚は、恋に似ている。
(「2章 雨にぬれた鋼鉄の都市」 より)
女闘美百合アクションin北斗の拳ワールド。荒廃した未来を舞台に、肉体言語にて愛を語り合うオンナノコの物語。登場人物は極めて高い確率で「ふっきんわれてる」。しょっぱなに凶暴な百合姉妹からラブラブご主人様と奴隷カップル(もちろんガチ百合)のご奉仕シーンへと繋ぐのだからもう覚悟完了ですな。
このふざけた時代にようこそだよ、もかちゃん。
文章は雑。ツッコミ所多数。ていうか、ツッコミ所のない部分を探す方が難しい。でも、吹き荒れる凶暴な風みたいなスピード感と勢いがある。そしてそれに乗ってどう考えても愛の告白か口説いているとしか思えない台詞が飛び交ってるの。それがね、もうねっ!
なにより、単なる一対一ではなくてくんずほぐれつ百合の花っていうのがいい。一対一の微妙でディープな関係というのももちろん悪くないどころか大好きなのだけど、百合…まあボーイズラブでも同じだけど、何しろ皆さん性別一緒なんで、単なる三角関係とその勝者、という構図を脱して輪を描いたりいろいろと交錯したりといったことが出来るはず。「あそびにいくヨ」だと、それを宇宙人という飛び道具持ち出して強引に実現しているけど、何もそこまでしなくてもオンナノコ同士の微妙な関係で十分OKなわけで。だからプリキュアマックスはとても美味だったり。
つまりね、こう、おたがい異なる部分で求め必要とし反発する感じがね、たまらないんですわ。こういうのが読みたかったんだよ。
これは残った、数少ない「われてない」キャラにも当てはまっていて、単なる「ヒロイン」の変種になっていない。ちゃんとそれぞれに立ち位置があって、それぞれの立場で百合っているところはやはり百合を解っている人ならでは。そこを明らかにわかってなかった某舞姫なんか、一部除いてグダグダだったからなー。感慨もひとしお。
このあたりも含めていい意味でも悪い意味でも探偵王女フジコの頃からノリがまったく変わってないよなー。
イラスト
荒くて粗い。線は変に硬いし、もちっとよく読もうよ、といいたくなる場所もある。でも…という前置きをつけていいのかどうか解らないけど、線の勢い、荒々しい感じはピッタリだし、その「粗さ」もまたあっているいるんだよなー。
んー、ほんと森丘さんって容赦ないねー。えぐいくらい(^^;
【text】CBSドキュメント◇
通常の二回分(普段はレポート三回構成)を費やして、バートルータンとスケールドコンポジットとスペースシップワンの特集をやっていてちとビックリ。
まず冒頭はスペースシップワンや弾道宇宙旅行とそれを巡る大まかな状況について簡単な説明。
次に、二回のチャレンジについて。そして次にスケールドコンポジットの紹介(社員の肉声付き)、ルータンの経歴(独立独歩の精神を強調)、スペースシップワン開発史、そして最後に今後の展開。
これだけでも予備知識ゼロの視聴者を対象にしたものの構成としてはとしては過不足無い構成なのだけど、さらに貴重映像てんこもりなんでマニアにもかなり嬉しいものでしたわ。
二回のチャレンジのコクピット画像を含めた各種画像に加えて、地上でのフェザー実動(!)、スケールドコンポジット社についての説明、スペースシップワンの模型テスト(屋上から投げてた)、シュミレーション中のメルビルぢーちゃん、建造中のスペースシップワンはてはバートルータンが構想している宇宙ステーションのイラストとかルータンの奥さんとか兄貴まで。
いやー、眼福眼福(^^)
印象的だったのは、ルータンの目。狩田の知っている宇宙関係者もやはりそうなんだけど、どこか遠くを見ていながら、瞬間的に射抜くような鋭さが閃く。
その瞬間て言うのは、「夢」や未来を語るとき。将来の構想について語っている時なんかは、射抜くような鋭い目で本当に楽しそうに語っていた。「0.2Gで足ヒレつければ水の上を走れる」なんてことを
遠くを見てチャレンジしつづけていた人の目、なのかな?
一回目のチャンレンジ、くるくる回っているコクピットの中でクリップボードになにやら書き込んでいるメルビルぢーちゃんには「負けた」と思いましたな。

三月二十七日(日)
【text】スクウェアエニックスノベルズ◇
以前話題になった、スクウェアエニックス小説大賞の受賞者がデビューする新レーベル「SQUARE ENIX NOVELS」が気がついたら創刊されてました。ちなみにネット上に詳細情報はなし。
発売されている二冊を購入、読了したので、まず通しての感想を。
一言で言うと、イラスト買いの一つの本質をついているなあ、と。新書サイズだけど、フォーマット的には40文字かける17行の大きい文庫。基本的にはノベライズの応用で、おそらく最大の狙いははイラストが映えること。
イラストレーターはガンガンで描いている漫画家さんで、巻末表紙折り返し、普通だったら著者の著作一覧がある所にはそのイラストレーターさんの既刊
「だけ」が並んでる、というあたり、レーベルの意図があからさまに出てる。
ある意味で
予想通りだけど、ある意味では予想以上と言うか予想以下と言うか…。
狩田の見てまわる範囲が狭いのかもしれないけど、なぜか「イラスト買い」を巡る話では知名度というパラメーターが議論されていない。
これはすごく簡単な話で、「有名人」が書けば「信者」によってある一定の購買量は望めるし、話題も呼べる。芸能人に本を書かせたりするのがその典型だけど、別に「有名人」はイラストレーターでもいいでしょ?
前にも書いたけど、イラストレーターがコミケの大手どころなら最低でも一万部前後は信者層だけで見込めるし、さらに同人誌市場という狭い範囲でそれだけ客が呼べるならば、出版で広げれば同数かそれ以上は呼べるはず。つまり、これだけで二〜三万部。そして、「本体」の部分で一万くらいとしても三〜四万部。
さて、ここでイラストレーターを一定の実績のある漫画家さんに変えてみましょう。そうすると、最低でももう一万部、うまく行けば二〜三万部くらいは上乗せできるはず。すると…五〜七万部前後かな? 悪くないね。
もちろん、中身がダメだったり新人が育たない状況ならは長続きはしないけど、ヤリ逃げはできる。悲しいけれどこれ、「イラストつき小説」の一つの側面なのよね。
残念ながら、SQUARE ENIX NOVELSは現在のところこのヤリ逃げフォーマットそのまんまでしかないし、肝心の作品の質的な面からしても期待のレーベルとはお世辞にも呼べない。ただ、そこにつぎ込めるリソースはいいものを持っているし、レーベルとしては始まったばかりでこれからどうなるかはまだ解らない。そして、今出ている分は当面はそこそこうれるはず。
だからもし狩田が書店員だったら、こうする。立地条件の違いもあるだろうから、まずデータを集める。具体的には同じ書店のコミック担当者を捕まえて、ガンガンコミックスの売上が良いようならば普通の新刊よりはいい扱いにする。
当面は様子を見ながら。ただし、コミックのノベライズの作者には注意しておく。小説大賞の受賞者がコミックのノベライズを書き始めたらそれは崩壊の兆候だから。そうしたら即座に入荷をへらす。
今の所は、そのくらいの扱いが妥当でしょうな。
もちろん、こんな悲観的な意見なんかまったくの的外れで、新人さんが大きく伸びてレーベルが発展してくれれはいいのだけど…けど。

三月二十八日(月)
【text】スクウェアエニックスノベル(市場編)◇
昨日書きそびれていたこと。
SQUARE ENIX NOVELSのターゲット層は、従来のライトベル層ではなくガンガンの読者層がメインなんじゃないかなと。この中で、Comic novelsとして発刊されている漫画のノベライズを買う層がコア。そう考えると、異常なほどの情報露出の少なさも頷ける。
というわけで、検証。とりあえず鋼の錬金術師等のアニメ化作品は「素」の市場規模のデータとしては不適なので、手頃な所で「
小説 ながされて藍蘭島」。これのAmazon売上ランキングは40,954。時間的なパラメーターが売上ランキングに影響する可能性もあるので、その点を考慮してほぼ同時期に出た本を比較してみる。例えば「
南青山少女ブックセンターの二巻」がランキングで31,131。これがどのくらいの数字かというと例えば「
殿がくる!―京都は燃えているか」が238,861だから…かなり売れてるね。青山の中心もノベライズも。
大体この時期(去年の11月)での電撃とかの売れ筋でも20,000〜30,000くらいなので、結論としてはレーベル一つ分の規模は期待できるといえるんじゃないだろうか。
つまり、やりようによってはそれなりにもつ、と。事実イラストのレベルは、編集作業面で見た場合は結構高いし、もう漫画版の連載も始まっているみたいだし。
もっとも、奨励賞の下に期待賞なんてものくっつけて慌ててハードル下げたから…ということは…。
多分、このレーベルが生まれた原因は市場の広がりと株価対策なんだろうなー。ちなみにスクエニの株価の動きは
こんな感じ。
大まかな動きで言うと角川グループ同様ゆっくりと値動きが止まっているのに加えて(お値段も同じくらい)、上下動が激しいという特徴がある。値動きは角川グループ同様コンテンツ産業系に対する市場の期待感の減退、値動きの不安定さはゲーム産業の不安定さゆえだとすると、出版に軸足を移すことで安定させつつ実績を出そうとしているのかもしんない。
【Book】こんな本を読んだ
◇
「くさる前に抱きしめて」(著
すぎやひまろゆき イラスト 表紙
藤代健 本文 カザミアヤミ SQUARE ENIX NOVELS スクウェアエニックス)
(Bk1)(
Amazon)
「…そんな紛い物に負けるな」
(じゅう より)
スクウェアエニックス小説大賞佳作。でもこっちの方がレベル高い気がするんだけど…そんなに応募した時がひどかったんかいな?(^^;
一応粗筋とから想像するのとはかーなーり違っていて、ゾンビと言っても単に死体が材料ってだけですはい。まあ、そのあたりを含めて狙っているかもしけないけど。
はっきりいっちゃうと、裏設定のくっついた女の子一人称話。友情百合入りただし基本へテロ、と。その基本的なラインはまっっっっっっったくかわってませんねんな。細部の作りこみが甘いとかキャラがパターン過ぎるとか欠点はまっとうに突っ込んでもけっこうあるけど、それ以上に「どこかで見たような感じ」がするんでかえって気にならない(笑)
ただ、微妙にずれたセンスと文章のテンポのよさはそれほど悪くは無い、ってところか。割といい物を持っているんで、伸びれば結構面白いものを書く…かも?
話の流れの流れ的に続編前提っぽいんだよね…。
主人公の彩夏のぼけぼけでずれまくった性格がかわええですな。
イラスト
意外といったらあれだけどレベル高いねー。
シーンの選択が的確で、しかもきちんと消化してかけているし、ちゃんと表紙イラストに絵柄を似せようとがんばっている。新書サイズの効果は最大限に出せているんじゃないかな?
【Book】こんな本を読んだ
◇
「スタンプ・デッド」(著
ぱむばね イラスト
稀奈かのと SQUARE ENIX NOVELS スクウェアエニックス)
(Bk1)(
Amazon)
入選作…だけど、こっちは残念だけどダメだね。ネット小説としてならおもしろい、というレベル。
読みやすいしコメで意図してはそれなりに笑えるけど、へんな風に小さくまとまっちゃっている。シーンの並べ方はも典型的なネット小説で、どこかで見たような、あるいはお気に入りのシーンをただ並べただけ。繋ぎ方とか見せ方とかを全然考えていない。
何より致命的な事に、自分の書きたい事が何かを解っていないんだよなー。ありがちなものでも、乗せるものさえ自分のものならばそれなりにいいものができるのに。この作者は今はまだ外にある、自分が気に入った物をただ追いかけている段階でしかない。
サイト見ていると一九才らしいけど…正直言ってデビュー早すぎたと思うよ。
イラスト
なんちゅーか…異常なまでのレベルの高さと容赦のなさが悲しいデス。
枚数はすくないんだけど、それを作者の萌えシーンに徹底的に集中し、かつ的確に選択ことで最大の効果を上げている。
本当にイラストつき小説なんだなー。残念な事に