「ええ、落ち着いていますわ。こんなに、今すぐお父様を切り殺したい欲求を、こんなにちゃんと抑えているんですもの。こんなに、この上なく冷静なのに、どうしてお父様はそういうことをおっしゃるの?」
Nice Boat.(またかい)
「空の鐘が響く星で」を完結させた渡瀬草一郎の新シリーズ。渡瀬さんといえば三上延と並ぶ幼馴染作歌なわけだけど、その幼馴染探求がついにヤンデレにまで達したのを除けば手堅い良作。
新シリーズなので渡瀬草一郎を始めてみたい人ならば健全なエロスとこまやかさが同居したイラストを含めてオススメ。
と、見えるのだけど。
子供の頃、フィノが良く話してくれた。
魔導師としての勉強をしていた彼女は、神話の成り立ちや神々についても詳しかった。年下のセロに教えるのは、彼女にとっても復習のようなものだったらしい。
穀物の女神コリンと、豊穣の女神アラクナとの、神々を巻き込んだ姉妹喧嘩。
工神ニルヴァリオの弟子、鍛治の神ルールーブが神の座を捨て、人に化身した伝説。
仲の良かった双子の女神、クティカとシュティカが永遠の別れを強いられた理由--
これらの神々の名前はやはり同じ作者による「パラサイト・ムーン」に出てくる「迷宮神群」と同じ名前なのだ。
「パラサイト・ムーン」は現代を舞台に迷宮神群と呼ばれる世界を渡る存在に影響を受けた異能者の物語。最初はただの異能ものなのだが、巻を追うに従って異能者たちが構成する複雑な社会が明らかとなり、しかもそれが物語に密接に絡んでくる構成はファンの間ではいまだに評価が高い。
「闇語りのアルカイン」では、このパラサイトムーンに登場した迷宮神群などの名前がちらほらと登場している。例にあげたものだとコリンとアラクネの話やクティカとシュティカが永遠の別れをしたエピソードなどは完全に共通しているし、いくつものリンクが伺える。
おそらくはかつて迷宮神群が通った世界の一つ、ということなのだろうけど、なにやらそれ以上のかかわりもありそうな…。
うーむ、こう来ましたか…やられたぜ。































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