特にVOCALOIDそのものや、VOCALOID製品のタイトル/キャラクター(「初音ミク」「鏡音リン」「鏡音レン」等)、バーチャルシンガーなどとクレジットされた作品において、それそのものが、いわゆるエロティックな表現や、バイオレンス、グロテスクな表現を、自ら発言/自己表現しているような見え方と捉えることが可能な場合、または視聴者がVOCALOIDやキャラクターのイメージを誤解し、困惑、嫌悪の感じをいだく可能性がある場合、VOCALOIDやキャラクターのイメージに悪影響があると判断させていただく事がございます。
Vocaloidを使ってエロチックな歌詞を歌わせていた動画が削除された件についてのクリプトン側からの公式見解。
うーん、言いたいことはわかるし、体裁としては商標権の行使として整えていはいるんだけど…これが絵とか立体物ならともかく楽曲、それも自社が運営しているわけではないサイトでの発表物にたいして、となると「やっちゃった」という感が強い。
だってこれはツールを作った側がそのツールを使った製作物に対して介入できるという先例に他ならないわけでさ。そこが、絵とか立体物とかと違うところ。逆に言えば、「絵とか立体物を作るツール」であれば、絵とか立体物に対する介入は慎重にすべきだと思う。
そもそも公序良俗というのは非常にあいまいなものなんだよね。「放映できる基準」といっても、実はその基準はテレ東名物「輝くゲロ」とかに代表されるように非常にいい加減なものなんで。
これが「誰かにとって都合の悪いもの」に化けないという保障はない。ここに「ツールを作った側の、ツールを使用した作成物に対する介入」が加わったら、非常に怖いことになりかねないわけでさ。
そして実は使用許諾書の「公序良俗」の項目は法的根拠が微妙に怪しい。
前にこのへん書いたときにはややこしくなるんでカットした部分なんだけど。「楽器の音」のレベルには著作権は及ばないように、通常、ツールを使って創ったものに対しては、ツールを作った側の権利は及ばないわけだ。これは権利の濫用を防ぐための、一種のセキュリティシステムなんだけど。
今回は一応根拠としては商標権的な行使という形にはなっているんだけど、今まで述べた理由から楽曲に対しての適用はデッドライン紙一枚のビーンボールだと思うし、デッドボールであると判断する人がいたとしてもすくなくとも狩田は文句を言わない。
武器を与えていいのか?
あともう一つ。こういった抽象的なことだけでなく、作品に対して「壊したい」と思った人に対して「正義」という強力な武器を与えてしまったことはあきらかにまずいかと。
正義というのは思考停止を誘うにはもってこいで、それを悪用した例もいくらでもある。わかりやすい例を挙げれば、架空のキャラクターに対する児ポ法の適用なんかがいい例だろう。
そして現時点ではすでにインターネット上の創作物に対して「創るのは大変だけど壊すのは簡単」という知識は広まってしまっている。
そのいい例が、ネットイナゴ。
で、いかなる技術といえども技術そのものは純粋に中立である、というのはインターネットにおける知識やノウハウの共有にも当てはまっちゃうと。
皮肉だけど、荒らし行為における「ピア・プロダクション」というのはもう何年も前から行われ、膨大な量の蓄積と洗練がされてしまっているんだよね。つまり、亜北ネルは初音ミクのまさに「影」。
その状況下で、これだけ流行っているものに対して、これだけ大きな武器を与えてしまったのはさすがに失策だと思う。
実際、ピアプロでも「クリプトン様の公認サイトで」てな枕言葉をつかって「正義の実行(お好きな振り仮名でお読みください。「おれのきにいらないものをけせ」とか)」を迫る人はちらほら出てきている。特に長期のお休みがある時期に。
創造を支援したいのならば破壊を防ぐという視点も必要ではなかったかと思うんだけど…。正直、反応を見ているとピアプロの運営の人はよく言えば純粋、悪く言えば微妙にスルーカが足りないというか、ネット慣れしていないところがあるんで心配ではあるんだよね。
悪い先例にならないこと、そして倫理と規制の違いについて考える機会になることを祈りたいんだけど。






























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