歪気と呼ばれる特殊な存在によって成り立った街、積野辺市の物語に住む少女西条なごみの物語。2巻にして最終巻。そして、多分最後の「笠原次郎」編集名義のライトノベル。
フォーマットとしては一種の「学園異能」。ただしこれはそれらとは一線を画す、同じイラストレーターさんの「幽霊列車とコンペイ糖」と同様の閉じた街と死と世界の終りと百合の物語。
美しかった。
まあ、現実問題としては間違いなく売れないしウケないだろうけどね。
そもそも発行部数が極端に絞られているらしく、渋谷ですらほとんど見かけない。「好意的な評価」といったところで、それがあれば必ず即座にヤフオクあたりでプレミアがつくようになるわけじゃない。手に入らなければそれだけであきらめられてしまうことのほうが多いだろう。
スタート地点でそれだけ不利なのに加えて、主人公であるなごみの性格も行動も性格も呼ぶのは共感ではなくて反発。人によっては「自業自得の上に八つ当たり」と評価してもおかしくない。
でもさ、「少女」ってそういうものじゃん。
わがままで不安定で凶暴で壊れていて、世界に従うんじゃなくて世界を従わせるもの。
思わないか? 振り回されたいって。ののしって欲しいって。冷たい目で見て欲しいって。
それはそういうことだと思う。
だからこそ少女達の愛には、死と血と世界の終りがふさわしい。特にラストの破滅美はすばらしい。
とにかくぶっ壊れていて凶暴な「少女」の物語が読みたいならばお勧め。
April 28, 2008
これこそ少女美学「塔の町、あたしたちの街2」
― by 狩田英輝 @ 11:04 pm
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